5月の第2日曜日は母の日です。母の日には日頃の感謝の気持ちを伝え、カーネーションを贈る習慣が定着していますが、この習慣はいつどのように始まったのでしょうか。
ここでは、カーネーションの花言葉や色ごとに持つ意味、母の日にカーネーションを贈るようになった理由と由来、カーネーションの花の特徴などをご紹介します。
美しく豊富な花色と、フリルを幾重にも重ねたような可愛らしい姿が魅力のカーネーション。その清らかなイメージで多くの人々に愛され、また可憐な花姿を長く保つことから、古代ギリシャでは神にささげる花冠に用いられ、「神の花」という意味の学名(ダイアンサス)を持っています。
カーネーションの花全体の花言葉は、「女性の愛」や「感覚」「感動」「純粋な愛情」。花言葉に乗せて感謝の想いを伝える母の日の贈り物としてぴったりの内容です。
現代では品種改良が進み、さまざまな花色を持つカーネーション。ここではカーネーションの色別に、それぞれの花言葉をご紹介します。
母の日に贈るカーネーションの定番色です。赤いカーネーションの花言葉は、「母への愛」や「母の愛」「純粋な愛」「真実の愛」などです。カーネーション各色の花言葉のなかで、最も直接的な母親への想いが込められています。
同じ赤でも色味が暗く、深い赤色のカーネーションは、「私の心に哀しみを」という意味合いに変わります。赤色のカーネーションを選ぶ際は、色の明暗にも着目してみてください。
母の日が始まった頃にシンボルとされていた、白いカーネーションの花言葉は「私の愛情は生きている」や「尊敬」です。亡くなった母親をしのんで贈るお花の定番として有名な色です。
可愛らしいピンクのカーネーションの花言葉は、「感謝」や「気品」「温かい心」「美しい仕草」です。赤いカーネーション同様、こちらも母の日に伝えたい想いが込められた花言葉になっています。
黄色のカーネーションは、その華やかな見た目にふさわしく、「友情」や「美」という花言葉を持ちます。見ているだけでも元気の出るビタミンカラーに、お母さんを慕う素直な想いを乗せて贈りましょう。
オレンジのカーネーションの花言葉は「熱烈な愛」や「純粋な愛」です。愛にあふれた花言葉ですが、どちらかと言えば恋人へ向けられる愛に近いニュアンスの意味を持っています。
遺伝子組み換えや、白いカーネーションへの着色で作られる青いカーネーションの花言葉は、「永遠の幸福」です。寒色ながら、花言葉には幸せを願う温かい気持ちが込められています。
古くから高貴な色とされる紫のカーネーションの花言葉は、「誇り」や「気品」です。落ち着いた色合いから、亡くなった母親をしのんで贈るアレンジメントなどにも使用されることがあります。
花に想いを託す風習は17世紀頃にトルコからヨーロッパ中に伝わり、各国で花言葉が生み出されていったと言われています。ヨーロッパから日本にこの風習が伝わったのは、明治初期頃のことです。
花言葉には決まりがなく、それぞれの花言葉の起源は明確にされていません。日本では言い伝えや、花に携わる人たちが考えたものを起源としています。そのため花言葉は国や地域によって異なり、時代の流れとともに変化することもあります。
しかし花言葉が時代と共に変わっても、「花に想いを託す」という風習は変わることなく受け継がれています。
カーネーションはナデシコ科の多年草で、原産は南ヨーロッパおよび西アジアの地中海沿岸と言われます。イスラム社会でもバラやチューリップと並んで愛され、アラベスク模様と呼ばれる幾何学装飾にも使われてきました。17世紀にはイギリスやオランダで盛んに品種改良が行われ、日本にはオランダを通じて江戸時代初期以前に輸入されたと言われています。
開花時期は2~5月ですが、ハウス栽培が盛んでお花屋さんには1年を通じて流通しています。長年の品種開発によってさまざまな色や形を持ち、バリエーション豊かで扱いやすい花であることから、アレンジメントや花束などに使用されることが多い種類でもあります。
母の日ギフトとして切り花のイメージが強いですが、初心者でも育てやすい花鉢も高い人気があります。
母の日は1910年にアメリカ合衆国のウェストバージニア州で始まり、少しずつアメリカ全土に広まっていきました。正式に「母の日」として記念日に制定されたのは1914年のことです。
ウェストバージニア州の知事が、「5月の第2日曜日を母の日にする」と宣言するに至った背景には、アンナ・ジャービスという女性の働きかけがあったと言われています。
アンナの母親であるアン・ジャービスは、かつてアメリカの南北戦争で負傷兵のケアを行っていました。この女性は負傷兵の衛生状態を改善する「マザーズデー・ウォーク・クラブ」を立ち上げ、敵兵のケアも献身的に行っていたとされています。
アンが亡くなった2年後の1907年5月12日に、娘のアンナは亡き母を追悼する会を教会で行い、母が好きだった白いカーネーションを参加者に配りました。これが「母の日」の起源と言われており、アンナの行動によって白いカーネーションが母の日のシンボルと認識されるようになりました。
日本で初めて母の日のイベントが開かれたのは明治末期頃であり、当時教会で行われたイベントによって、人々の間に広まったと伝えられています。
カーネーションを贈る際に気をつけたい注意点は、「白いカーネーション」の扱いについてです。
色別のカーネーションの花言葉や、母の日にカーネーションを贈る理由と由来の項目でも書いたとおり、白いカーネーションには「亡くなったお母さんに捧げる」という意味合いがあります。
花言葉としては、「私の愛情は生きている」「尊敬」などポジティブな意味を持ちますが、これまでの歴史で“死別したお母さんに贈る花”として定着している経緯があるので、ご存命のお母さんに対して白いカーネーションのみを使った花束やアレンジメントを贈るのはふさわしくありません。
カーネーションだけでなく、白いお花にはお葬式の花というイメージがあります。白いカーネーションをプレゼントする際は、ほかの色のお花と組み合わせたものを選ぶことをおすすめします。
日比谷花壇では、カーネーションをはじめとした季節のお花から、誕生日や記念日にぴったりの花束やアレンジメント、自宅で楽しめるお花まで、幅広いアイテムを取り揃えています。お花のスタイル別や贈る目的別、予算別の検索も便利で、最短翌日着のクイック配送や海外配送などのサービスも。また、カーネーションを使った母の日商品も「母の日ギフト・プレゼント特集」にてさまざまにご用意しています。
ぜひ、大切な人にぴったりのお花を見つけてください。
hibiyakadan.comのカーネーション特集の中から、母の日に特におすすめするカーネーションをご紹介します。
ここまで、カーネーションの花言葉や色別の意味、お花としてのカーネーションの特徴、母の日にカーネーションを贈る由来、プレゼントする際の注意点についてご紹介しました。特色やそれぞれの花言葉を把握することで、きっとイメージや選択肢が広がるはず。ぜひ母の日プレゼントを選ぶ際に役立ててください。