「トルコキキョウ」の花をご存知でしょうか。ふんわりとした花びらを優雅に広げ、バラやカーネーションにも肩を並べる華やかな花姿で、プレゼントやお祝いのお花として多く選ばれています。ここでは、トルコキキョウの花言葉やその名の由来、人気の品種などをご紹介します。
トルコキキョウの花言葉は「優美」「希望」「すがすがしい美しさ」です。トルコキキョウは、まるでバレエダンサーが身に着けるスカート(チュチュ)のようにふんわりと花びらを広げ、ひだを作りながら花開く姿が優しげで大変美しいお花です。その様子を表現したかのような「優美」「すがすがしい美しさ」という花言葉がよく似合います。またその美しさは見ている人に希望を感じさせてくれるかのようでもあります。
トルコキキョウとは、リンドウ科ユーストマ属の植物で、旧学名をリシアンサスとも言います。近年ではこちらのリシアンサスという名が別名としてよく使われるようになっていて、日比谷花壇ではリシアンサスを正式名称として使用しています。
実はアメリカ合衆国のテキサスが原産地。19世紀にイギリスへ持ち込まれ、リシアンサスという学名を付けられますが、後に現在のユーストマに変更されたそうです。テキサス生まれだけあって寒さにはあまり強くなく、原種には紫色の花が多いですが、品種改良により白やピンク、黄色など多くの色の花を咲かせます。
高地に生える種と低地に生える種があり、前者は1年で寿命を終える1年草ですが、後者は越冬して何年も生きる多年草です。
日本では「トルコキキョウ」あるいは「トルコギキョウ」とも呼ばれていますが、原産地はアメリカなのでトルコとは無関係。さらに「キキョウ」の花とも、同じリンドウ科ではありますが、別品種で関係がありません。なぜそのように呼ばれるようになったのかという理由には、トルコキキョウのつぼみの見た目がトルコ人が身に着けているターバンに似ているから、あるいは原種の紫色の花の色がトルコ石やトルコの海の色などのトルコブルーを思わせるから、一重咲きの原種の花がキキョウと似ていたから、などの説がありますが、いずれも根拠不明ではっきりとした理由はわかっていません。
学名の「ユーストマ」は、ギリシャ語で「良い口」という意味を持ちます。これは一重咲きで咲くトルコキキョウの、ぽっかりと口を開けたような姿にちなんでいると言われています。
トルコキキョウは人気のある品種で、通年を通してお花屋さんで見かけることができます。品種開発により花色が豊富で、一重咲きと八重咲きがあることから和風洋風どちらのアレンジにもなじみ、さらに切り花にしたときの花持ちも良く長く咲いた状態を楽しめることから、ギフトやウェディングなどのお祝いにもよく利用されています。
トルコキキョウには主に白・青・紫・ピンク・黄色・緑、複色といった花色があり、特にプレゼントとして人気が高いのはピンクや黄色、2色の色がまざった複色系の明るいカラーです。一方、青や紫・緑といった落ち着いた色は、お供え花などのギフトによく使われています。白のトルコキキョウは、プレゼント・お祝いとお供えのどちらにも似合う色です。
既に書いたとおりトルコキキョウは年間を通じて市場に流通していますが、そもそもの開花時期は5~8月、寒冷地では8~9月です。夏のお花なので暑さに強く、夏場でも花持ちがしっかりとしています。
背丈は20cm~120cmほど。北アメリカの南西部からメキシコにかけての平原や河口に見られます。もともとの原種の花はとても小さく、現在のように華やかな姿になったのは品種改良によってです。一重咲き・八重咲き・バラ咲き・フリンジ咲きのほか、大輪系や小輪系など多くの品種が存在し、その数は300種ほどにもなります。
トルコキキョウの最大の特徴は、何といってもフリルのようにひらひらとしたゴージャスな花びら。またターバンにも例えられるように、つぼみは先にかけて細くなり、ねじったような独特の形をしています。
花持ちの良いトルコキキョウですが、切り花の状態できれいに長持ちさせるにはいくつかのコツがあります。
トルコキキョウの雄しべからは花粉が散りやすく、それが水替えなどの際の振動で雌しべについて受粉状態になると花自体が弱ってしまいます。予め雄しべをカットしておくことをおすすめします。また花束は1度ばらして、余分な葉をカットしましょう。
また、水揚げはボールやバケツに張った水に付けた状態で茎を斜めに切ったり、手で折ることを言います。古くなった切り口から雑菌が繁殖するのを防ぐ目的なので、水揚げをしっかり行うのが長持ちのコツです。同様に水換えもこまめに行いましょう。
ここからは、トルコキキョウの人気の品種を、咲き方の種類別にご紹介します。
花びら同士が重なり合うことなく咲く品種を「一重咲き」と呼びます。すっきりと上品な印象が人気で、名前のとおりキキョウに似た星形のタイプから、花びらの先がくるんと丸くカールして咲くタイプまであります。
バルカンマリン(バルカン系)
花の大きさは中小輪系。白地に鮮やかな紫色の縁どりが目を引く複色系で、花びらの先が少しカールしているのが特徴です。他に単色のイエロー、バイオレットなどの色があります。
ファルダマンゴー(ファルダ系)
花びらの先に細かい切れ込みが入った大輪品種です。柔らかなアプリコットカラーで、他にピンク色のファルダチェリーなどがあります。
八重咲きは、花びらが何枚も重なった華やかな咲きぶりのものを指します。トルコキキョウのなかでも特に花持ち良く丈夫で、バリエーションも豊かなことから非常に人気があります。
■ミンクリップス(ミンク系)
大きさは中小輪系で、厚みのある花びらを何重にも重ならせ、バラのような花を咲かせます。他にホワイト、イエロー、グリーン、パッションなどの色があります。
■スプリングモンロー(スプリング系)
中~大輪の花を咲かせる品種で、ふっくらと波打った花びらの重なりが非常にゴージャスです。淡いピンクで美しい発色。他にスプリングホワイト、スプリングピンクなどがあります。
■パレオクリアピンク(パレオ系)
大輪で花びらが多く、シャクヤクに似たふっくらとした花を咲かせます。すっきりと明るいピンク色が印象的で、ピンク、ホットピンク、エレガンス、マリン、アプリコット、ジャスミン、グリーン、シャンパンなど非常に多色です。
■ファイナルローズ(ファイナル系)
濃く鮮やかなピンク色で、花びらがたっぷりと重なった大輪の花を咲かせます。他にファイナルホワイトなどの色があります。
■オードリー
純白の花を咲かせる大輪種。花びらの数が多く、フリルが印象的。ふんわりと立体的でボリューム豊かです。
■モンロー
大輪で淡いピンク色の品種です。季節による花色の変化や色褪せが少なく、安定した発色が魅力。厚い花びらと豪華なウェーブで、ブライダルで多く使われています。
バラに似た咲き方をするもので、華やかさと可愛らしさを併せ持ったタイプです。
■エクローサグリーン(エクローサ系)
近年のブームの先駆者となったロングセラー品種。「エクローサ」とはイタリア語で「バラを超える」の意味。他にピンク、ブルー、リラなどの色があります。
■ロジーナレッド(ロジーナ系)
鮮やかな花色が美しく、よりバラの形に近付けることを目標として開発された中輪品種。育てやすく、スノー、ホワイト、イエロー、ピンク、ブルー、ラベンダー、グリーン、ライムなど非常に多色です。
花びらの先端にひらひらした切れ込みが入るのがフリンジ咲きで、八重咲きの特徴も併せ持つため、別名「フリンジ八重」と呼ばれます。八重咲きよりさらに華やかな印象です。
■ファルダダブルスノー(ファルダダブル)系
ファルダダブルブルー、ファルダダブルアプリコット、ファルダダブルレモン、ファルダダブルローズなどがあります。濃色で色鮮やかな大輪の花を咲かせる品種です。ボリュームがあり、とても豪華です。
■ボヤージュイエロー(ボヤージュ系)
ボリュームのあるフリル状の花びらと、波打つように咲く豪華な姿が魅力です。ピンク、アプリコット、スノー、グリーン、ブルーと幅広いカラーがあります。
遺伝的にあまり大きく生長しない品種を「矮性種」と呼びます。トルコキキョウの場合は背丈が30〜40cm程度で、鉢やプランターでの栽培向き。ベランダなど限られたスペースでも育てやすい品種です。
■ロメオブルー(ロメオ系)
青みがかった明るい紫色が印象的。コンパクトな八重咲きで、他にピンクやホワイトがあります。3色の開花タイミングや並んだ姿の揃いがよく、混色で植えるのにも向いています。
■マリンチェ
白地に紫色の縁取りが印象的な一重咲きの品種。背丈は20cmほどと小ぶりですが、大輪の花を咲かせます。
日比谷花壇では、トルコキキョウをはじめとした季節のお花から、記念日やお祝いごとにぴったりの花束やアレンジメントなど、幅広いアイテムを取り揃えています。お花のスタイル別や贈る目的別、予算別の検索も便利で、最短翌日着のクイック配送や海外配送などのサービスも。
また、ご自宅で楽しむためのお花の提案も豊富です。その時期に見頃を迎える旬のお花を日比谷花壇のバイヤーがセレクトした「バイヤーおまかせフレッシュ便」や、インテリアとして楽しめる観葉植物、自宅でお花を楽しむためのコツやアイディアなどもご用意していますので、大切な人やご自身で楽しむのにぴったりのフラワーギフトを探してみてください。
ここまで、トルコキキョウの花言葉から名前の由来、特徴、飾り方のコツ、人気の品種などをご紹介しました。トルコキキョウは、ギフトやウェディングなどさまざまな場面で使われている人気のお花。花言葉や品種としての特性を知ることで、きっと楽しみ方・育て方のイメージや選択肢が広がります。大切な人へお花を選ぶとき、またご自身でトルコキキョウを育ててみようと思ったとき、こちらの情報を役立ててください。